訓練時間のうち、準備に何分使っているでしょうか。
設備の検討では、機能や価格はよく比較されます。一方で、導入後の運用を最も左右するのに、比較表に出てこない項目があります。
ハーネスの装着と準備にかかる時間です。
5分の準備は、20分の訓練の25%です
仮に1回の訓練が20分だとします。ハーネスの装着と調整に5分かかるなら、実際に歩いている時間は15分です。準備は全体の25%を占めます。
1日に5人回せば、準備だけで25分。週5日で2時間強になります。職員の人件費に換算すると、無視できない数字です。
これは機器の性能ではなく、運用設計の問題です。そしてカタログのどこにも書かれていません。
夢歩のハーネスについて
夢歩では「はごろもふぃっと」という装着具を使います。社内の製品資料に記載があるのは次の点です。
- 短時間での装着を意図した設計であること
- 股関節と太ももを包み込む構造であること
- 標準構成で5着が同梱されること
**5着という数は、運用上の意味があります。**複数の利用者を続けて訓練する場合、1着しか無ければ、前の方が外すまで次の方は待つことになります。着数があれば、装着を先に進めておくことができます。
具体的な秒数は、この記事では書きません
「◯分で装着できます」と書けば分かりやすい記事になります。しかし当社の資料に、条件をそろえて計測した数値がありません。
装着時間は、利用者の身体状況、職員の習熟度、その日の状態によって変わります。条件を書かずに数字だけ出すのは、比較の材料になりません。
代わりに、確認する方法をお伝えします。
検討時に確認していただきたい5点
| # | 確認すること | なぜ重要か |
|---|---|---|
| 1 | 誰が装着するか | 有資格者に限られるのか、介護職員でも可能か |
| 2 | 何人で装着するか | 1人でできるか、2人必要か。人員配置が変わる |
| 3 | 1日に何人回すか | 着数が足りるか、待ち時間が出ないか |
| 4 | サイズが合うか | 体格差の大きい利用者に対応できるか |
| 5 | 洗浄・交換はどうするか | 衛生管理の手順と、予備の要否 |
**2番はとくに重要です。**装着に2人必要な設備なら、訓練のたびに職員2名を確保する必要があります。これは1人でできる設備との運用コストの差として、毎日積み上がります。
実際に測る方法
もっとも確実なのは、ご自身で装着してみることです。
展示会のブースや見学の場で、実際に着けてみてください。そのとき、次を見ていただくと運用の見当がつきます。
- どこを、どの順番で留めるのか
- 説明を聞かずに2回目ができそうか
- 座ったままでも装着できるか、立位が必要か
- 外すときに手間がかかる箇所はないか
「1回目に何分かかったか」より、「2回目が説明なしでできそうか」のほうが実態に近い指標です。職員の方が毎日繰り返す動作だからです。
検討の場に、実際に使う職員の方を
装着の手間は、管理者の方が資料を読んで判断できる項目ではありません。毎日その動作を繰り返す職員の方でなければ、負担の実感が分かりません。
見学や展示会には、可能であれば現場の職員の方も一緒にお越しください。導入後に運用が止まる原因の多くは、性能ではなく、こうした日々の手間の積み重ねにあります。